マンガ「カイジ」で学ぶ建築<地盤編>

カイジの「ビル傾け」は可能なのか?

ギャンブル漫画として言わずと知れた「カイジ」
映画化などもされましたので、漫画を読まない人でも名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?

そのカイジにて登場するギャンブルの一つ

 
千倍台、一玉4000円、パチンコの王、「沼」

この沼はカジノ側の仕掛けにより絶対に玉が出ないようになっていますが、カイジは「ビルを傾ける」奇策でこの沼を攻略します。

このトリックについては、ツッコミを入れた方は多いのではないでしょうか?あくまで創作作品ですから、細かいことを指摘するのも野暮ではあります。ただ、「たかだか20トンで建物が傾くのか」というのはかねてより疑問に思っていましたので、ちょっと調べてみました。(誤解ないよう言っておきますが、私は「カイジ」は大好きな作品です)

“マンガ「カイジ」で学ぶ建築<地盤編>” の続きを読む

「ツーバイフォーはリフォームできない」は本当か?

今現在、ある種常識となっている説があります。

ツーバイフォーはリフォームできない

ツーバイフォー。1970年代に北米から日本に持ち込まれた構法です。

日本の在来工法とは思想が根本から異なり、
高い強度と、容易な施工から、日本でも数多くの住宅に採用されました。

ところがどういうわけか、ある誤解が、一般居住者から、一部の業界人にまで、広い範囲に広まっている有様です。

日本よりはるかにリフォームが盛んな北米から持ち込まれた(正確には、日本のリフォーム市場が異常に小さい)のに、どうしてこのような誤解が生じたのでしょうか?
これには日本独自の事情がいくつか関わっているのですが、この原因について簡単に考察してみます。

“「ツーバイフォーはリフォームできない」は本当か?” の続きを読む

マンガ「匠三代」で学ぶ建築<幼老複合施設編>

老人ホームの抱える問題

人生の終活を考えた時、頭を悩ませることが介護の問題です。

自宅の畳で臨終を迎えることが少なくなった現代、多くの人が老人ホームや病院で最期を迎えています。ところが、この老人ホームは現在数多くの問題を抱えています。

例えば「待機老人」の問題。待機児童は聞いたことがあっても、こちらは聞きなれない方も多いでしょう。ですが実は、待機児童よりはるかに多くの「待機老人」が、老人ホームに入りたくても入れずにいます。

「ならば老人ホームを増やせばいいのではないか?」という話になりそうですが、特別養護老人ホームは政府からの補助金が必要ですので、そんな簡単に増やせるものではありません。また、激務である介護士が常に人手不足という問題もあり、解決には至っていません。

2015年4月から、入居に要介護度「3」が必要となったこともあり、多少数は減りましたが、それでもまだ約36万6千人(註1)が入居できる日を待っています。(待機児童の数は2万6千人(註2)なので、文字通り桁が違います)

“マンガ「匠三代」で学ぶ建築<幼老複合施設編>” の続きを読む

耐力壁は誰がつくったか?その1耐震理論の成立

耐力壁とは何か?

耐力壁(たいりょくへき/たいりょくかべ)は、地震発生時や台風の来襲時に家が壊れないよう、その力に抵抗する壁のことです。日本の家屋は、この耐力壁の話と切り離すことができず、耐震を考える時はほぼ必ず耐力壁を中心に計画されます。熊本地震(2016)でも、数多くの建物が倒壊し、耐力壁の重要性が改めて認識されるようになりました。
そんな日本の住宅を支えてきた「耐力壁」ですが、一体誰が作ったものなのでしょうか?耐力壁が成立し、世に浸透するまでの歴史について調べてみます。

“耐力壁は誰がつくったか?その1耐震理論の成立” の続きを読む